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新国立劇場バレエ『ファスター』『カルミナブラーナ』 [ステージ]

この2週間の週末、こころはバレエに捕われておりました。
実際に観に行けたのは2週目の2回だったのですが。1週目は体調不良で行けなかった。
以下、観た直後に感じた感想を色濃く表している下書きをあまり変更せずに。

順序は変えて『カルミナブラーナ』から

今回の上演が日本での三演目。
初演の時の衝撃、ショックはよく覚えている。
照明が落ちて幕となっても客席は沈黙したまま。その沈黙は一瞬だったのだろうけど、いつまでも続きそうな気さえした。
しかし、我に帰った観客の割れんばかりの拍手。
あの時のように圧倒されたのは、過去もあの時からもなかった。

再演を観た時は、心構えが出来ていたので放心状態になることはなかったけれど、バレエの振り付けとか重要な部分が解っていなかった。

再々演目の今回は、劇場一階席のちょうど中心の席だったので、細かいところは無理だけど全体を観るにはとても良い席だった。

幕が開くと、女神フォルティナのやたら複雑な振り付けも、あそこまで複雑かつダイナミックだったんだ、と感心。

三人の神学生の各パートも頭の中にあったものとかなり違う。

一つの作品を理解するのは思ったより難しい。
結局、今回も圧倒されてしまった。

しかし、観客もかなり慣れて来ましたな。
各パート間の拍手も出るようになったし、最後の暗転で幕、となると割れんばかりの拍手。
新国立劇場であれだけの拍手が出たのは、自分の拙い記憶では初めてだ。

そして二回目、公演最終日。
席はなんと最前列。
バレエは最前列で観るものではないなあ、と思う。
一つの焦点に視線が固定されてしまい、全体を観ることは当然出来ない。
利点は、ダイナミックなダンサーの織りなすダンスを目の前で大迫力で観ることが出来ること。細かい振り付けやダンサーの動きがはっきりと見えること。
今回も新しい発見がたくさんありました。
もし、2回以上観ることが出来るのであれば、初めは真ん中のあたりで全体を把握して、二度目は出来る限り前で細かいところを観る、ということが出来れば良いね。

「カルミナブラーナ」の物語は、たくさんの人が詳しく書いていると思うのでちょっとだけ。
テーマは『聖から俗に落ちる』というところか。
三人の神学生が、遊び、食欲、性欲といった俗の世界に溺れるさまを表している。
その黒幕が、女神『フォルトゥナ』。最後にはクローンも現れて空間を支配する。
そんな感じ。とんでもないはしょりようだけど、音楽作品としての本家『カルミナ・ブラーナ』を解説してあるのを見つけると良いかもしれない。

次の四演目となる再再々演はいつになるのかな。
芸術監督が変わり、「古典への回帰」を打ち出しているので、ちょっと予測が出来ない。

おっと、危なく忘れるところだった。
今回の『カルミナブラーナ』、上演時間が短いのでもう一つのバレエがくっつくことが多い。
今回は『ファスター』という、デヴィッド・ビントレーがロンドンオリンピックのために振り付けた小品がつきました。
テーマは、オリンピックのモットー『より速く、より高く、より強く』で、色々な競技をモチーフにした振り付けがなされていた。
どの競技がモチーフになっているかはとても判りやすく、観たまんまである。
しかし、これは何のイメージだろう?と判らないパートがあり、これがオリンピックのモットーそのものを表しているのかな、と思っている。
最後のシーンでは、みんなが走り続ける。短距離、長距離、競歩、マラソンを表しているのですね。なんと8分間走り続ける振り付けだったそうで。
この作品も躍動感にあふれ、気分が高揚してくる。その後に『カルミナブラーナ』のハイテンションにつなげていくのだから、すごいですよ。

ビントレー芸術監督のシーズンも、後は『パゴダの王子』だけ。
場所は日本だけど、やはりアジアにある無国籍なステレオタイプがあるのはしょうがないのかなあ。





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